
人によって、効果的な暗記方法は異なるかと思いますし、学校などの教育を通じてやり方を教わってきたこともあるかと思います。しかし、それらの方法は本当に正しいのでしょうか。一夜漬けで覚えても、直ぐに忘れて使えなくなってしまっていないでしょうか。
そこで重要となってくるのが、効率的な記憶のやり方になります。近年の脳科学の進歩は目覚ましく、効果的な記憶術というのが科学的に判明しています。これらを事前に知っておくことで、より効果的に記憶ができるようになります。こで、この記事では、英会話を勉強する上でどうしたら効率的に覚えたことを記憶できるかについて、説明していきたいと思います。
目次
英会話を勉強する際の4つのコツ
効率的な記憶のやり方について見ていく前に、英会話を勉強する際のコツについて軽く振り返りたいと思います。英会話を勉強する際のコツは、次の4つになります。
- 目的地(目標)を明確にする
- 現在地(実力)を明確にする
- 効率的な記憶のやり方を知る
- 効率的な時間の使い方を知る
英会話を勉強した後の理想の姿と現状を把握した上で、その差を埋めるために必要となるのが勉強になりますが、効率的に行うには、記憶のやり方と時間の使い方を知る必要があります。なお、4つのコツの概要については、下記に記載してありますので、興味のある方はご覧ください。
知らないと後悔?初心者向けに英会話を勉強する4つのコツを紹介!
記憶における重要な2つの考え方
効率的に記憶するには、次の2つの考え方が重要になります。思い出すようにすることと、重要だと思わせるようにすることです。それぞれについて、詳しく見ていきましょう。
何度も思い出す
記憶のプロセスは、符号化→貯蔵→検索という3つの過程で処理されます。まず、脳は覚えることを単純化するために符号化し、その後に符号化した情報を貯蔵します。そして実際にその情報が必要な場面で検索し、これらの処理がスムーズになると記憶が定着したことになります。貯蔵しただけでは、捜し物をどこにやったか見つけられない状態と同じで、記憶することができません。
くろ
しろ
そこで重要となるのが、記憶したい情報を何度も検索をかけて、思い出すようにすることです。思い出すことなしに、記憶の定着はありません。検索が完了することによって、初めて脳に記憶されますので、覚えたいものがある際は、何度も思い出すことをするようにしてください。
重要だと思わせる
思い出すことは回数も重要ですが、当然ながらその質も重要になります。記憶における質とは、どれだけ重要だと思わせられたかです。重要だというラベルを与えて覚えるようにすることにより、思い出す回数を減らしても記憶に定着させることが可能になります。
くろ
しろ
脳に重要だと思わせるやり方は、覚えたいと思うものに関しては、その情報量を増やして上げることです。情報とは、単に知識のことではありません。感情なども情報になりますし、視覚や聴覚などの感覚なども該当します。
間違った記憶法
上記2点が記憶の際に重要な考え方になりますが、これらを踏まえた上で間違った記憶法について見ていきましょう。
- アンダーラインを引く
- 何度も読む
- 何度も紙に書く
- 何度も声に出す
試験勉強をする際に一般的に良いこととされるこれらの方法ですが、記憶の定着において最も重要な検索をするということが欠けているため、実はあまり効果がないやり方と言えます。注意するようにしてください。
暗記してはいけない
情報は貯蔵する段階で、次の3つのどれかに分類されます。感覚記憶・短期記憶・長期記憶です。間隔記憶の保持時間は数ミリ秒、短期記憶については30秒程度、長期記憶にいたってはほぼ永久と言われています。狙うべきは長期記憶です。
くろ
しろ
長期記憶にするためには、やはり何度も思い出すことと、重要だと思わせることが重要です。逆に暗記しようと単語を詰め込んだとしても、実践においては全く役に立たないということは覚えておいてください。
何度も思い出すための2つの方法
何度も思い出すための方法は2つあります。テストをすることと、復習をすることです。それぞれについて、見ていきましょう。
テストをする
何度も思い出すための方法の1つ目は、テストをすることです。実際にテストするかどうかは別として、何か問題があって、それに対して答えを出し、あっているかどうかを確認するというやり方は、記憶のメカニズム上、非常に効率的な記憶方法になります。
くろ
しろ
最低限のインプットを終えた後は、練習問題や実践問題を解くことで、覚えた内容を何度も検索する(思い出す)ことを行ってみてください。短時間で大きな成果が出るようになります。
復習をする
何度も思い出すための方法の2つ目は、復習をすることです。復習を通じて、何度も検索を行い、脳に重要な情報であると認識させることができます。ですので、1度で全てを覚えようとはせず、何度も復習する(繰り返す)ことによって、徐々に記憶を定着させることを心がけると良いでしょう。
くろ
しろ
最初から全てを覚えようとするのは、記憶のメカニズム上、非常に非効率です。英会話の勉強においても、同じ参考書や問題集を何度も繰り返すだけでも、高い効果を発揮できるようになります。
重要だと思わせるための2つの方法
重要だと思わせるための方法は2つあります。五感を使うことと、手かがりを増やすことです。それぞれについて、見ていきましょう。
五感を使う
重要だと思わせるための方法の1つ目は、五感を使うことです。我々は英語の勉強というと机に向かってペンとノートを使ってやるものだと思いがちですが、これでは視覚しか使うことができません。我々は情報のほとんどを視覚で処理しているため、視覚だけでは脳に重要と思わせることができません。
くろ
しろ
英会話はスポーツと同じだと考えると良いです。ルールを知っただけでは野球がうまくはなりませんが、何度も同じ動作をすることによって徐々に上手くなります。英会話を学ぶ際も、実際に聞いたり話したりすることによって、五感を活用するように意識してもらえればと思います。
手かがりを増やす
重要だと思わせるための方法の2つ目は、手かがりを増やすことです。例えば、語呂合わせなども手かがりの1つです。他にも関連するものを一度に覚えたり、自身の感情や感覚を合わせて覚えることも有効と言えるでしょう。
くろ
しろ
手かがりの増やし方は人によって様々かと思いますが、覚えたいと思うものに多くの情報を持たせることは、脳に重要と思わせることができるようになります。是非やってみてください。
英会話における効率的な記憶のやり方:実践編
それでは、今まで見てきた内容を踏まえた上で、英会話を勉強する際の効率的な記憶のやり方について、具体的に見ていきましょう。
文法は短時間で繰り返す
文法については、1回で覚えようとはせずに、何回も繰り返すことで覚えるようにしましょう。特に文法書などに取り掛かる際に、初心者の方はじっくりと時間を欠けて読み込もうとしてしまいがちですが、全てを完璧に覚える必要はありませんので、短時間で読み切って何度も読み返すようにしてください。
くろ
しろ
初心者の方が英会話を学ぶ際に文法に時間をかけようとするのは、挫折の原因になります。文法に限らずですが、短時間で何度も繰り替えることを心がけてください。
単語はイメージで覚える
単語については、イメージで覚えることがポイントになります。イメージで覚えるというのは、我々が子供の頃に言葉を覚えたのと同様に、実物のりんごをみながらappleと覚えるようなイメージです。実物でなくても画像でも構いませんが、単に英語と日本語を1対1で覚えるのは避けるようにしてください。
くろ
しろ
英語と日本語を1対1で覚えるのは手かがりが少ないというのもありますが、英語を聞いて理解したりする際に間に日本語を挟むことで時間がかかるため、会話のスピードについていけないという問題もあります。単語を覚える際は、子供の頃と同じような形で覚えるようにしましょう。
会話は耳と口を活用する
会話については、当然ながら耳と口を活用することが重要です。実際に聞いたり話したりして五感を使うというのもありますが、英会話は勉強というよりはスポーツに近いため、実際に身体を動さなければ、定着させるのは難しいと言えます。
くろ
しろ
試験勉強のような受動的な勉強では、英語を話すことはできるようにはなりません。能動的に勉強することが重要ですので、注意して貰えればと思います。
効率的な記憶のやり方まとめ
効率的な記憶のやり方について紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。初心者の方であればこそ、効率的に記憶することがポイントになりますので、是非参考にしてもらえればと思います。
引き続き、ポイントの1つである時間術について見ていきましょう。
