
英語音読という言葉は聞いたことがあるものの、果たして本当に効果があるのか、疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。その答えとしては、英語音読は正しいやり方で行えば、英会話に効果があると言えます。実際、英語音読を通じて英語が聴けるようになった方も多いです。
しかしながら、なぜ効果があるのかについては、説明されていることが少ないと感じますし、効果が出る前にやめてしまった方もいるのではないかと思います。そこで、この記事では英語音読が英会話に効果がある理由と必要な期間について、説明していきます。
目次
英語を聞くまでのプロセス
英語音読の効果を見る前に、人が英語を聞くまでのプロセスについて見ていきましょう。実は、我々が英語を聞く上で、そのプロセスは2つの段階に分けることができます。これを理解すると、英語音読がなぜ効果があるのかであったり、正しいやり方であったりがより理解できるようになります。
プロセス①:音声理解
プロセスの第一段階は、相手が言った英語の音声を理解することです。日本語でもそうですが、そもそも何と言っていたのか、その音声を聞き取ることができないと、内容を理解することはできません。
くろ
しろ
英語のリスニングが苦手と感じる理由の1つとして、この音声が聞き取れないケースがあります。英語独自の音に慣れていないため、英語が聞き取れないという状態になってしまっているのです。
プロセス②:文章理解
プロセスの第二段階は、聞いた内容について理解することです。こちらも日本語でもそうですが、音声を理解しても、その文章を理解しなければ、相手が言っていることを理解することはできません。
くろ
しろ
英語のリスニングが苦手と感じる理由の1つとして、この内容が理解できないというのがあります。日本語と英語の語順が違うため、頭から英語を理解するということができないという状態になってしまっているのです。
英語音読は文章理解に効果がある
英語音読は、上記のプロセスの中で文章理解に効果があると言えます。英語の場合、日本語とは語順が全く違うため、この英語の語順のまま理解できるようにならないと、文章理解することができません。
くろ
しろ
我々日本人が書いてある英語を音読することは簡単ですが、それだけでは英語の語順のまま理解できるようにはなりません。聞いた音を意味や構造を理解しながら繰り返すことが重要である、という点は覚えておいてください。
英語音読を通じて得られる5つの効果
英語を聞くまでのプロセスを見てきた所で、英語音読の効果について見ていきましょう。
①頭から英語を理解できるようになる
英語音読の効果の1つ目は、頭から英語を理解できるようになることです。英語音読は、頭から英語を聞いて理解した上で、音読をするトレーニングです。この頭から意味や構造を理解して発音するという行為を通じて、頭から英語を理解することができるようになります。
くろ
しろ
野球で言うと、ひたすら素振りやキャッチボールをすることで、身体に慣らしていくイメージです。英語音読でも音読する際に音声を聞いたり話したりして、強制的に頭から語順を掴むようにすることで、文章理解のやり方を身に付けていくことができます。
②会話の瞬発力を高めることができる
英語音読の効果の2つ目は、会話の瞬発力を高めることができることです。英語音読は、精読のようにじっくり時間をかけて行うトレーニングではなく、頭から瞬時に意味や構造を理解することが求められます。実際の会話の速度に近いため、瞬発力を高めることができるのです。
くろ
しろ
野球でも、実際のストレートの速度や変化球の曲がり具合に近い形で練習しないと、実践では打てるようになりません。精読では実際の会話の速度についていけませんが、英語音読を通じて、その速度に慣れることができます。
③会話で聞ける単語が増える
英語音読の効果の3つ目は、会話で聞ける単語が増えることです。試験英語のせいか、英単語を訳せる人は多いですが、聞いた英単語を理解するのは苦戦する人が多いです。しかしながら、読めば知っている単語でも、会話で使えるようにならなければ意味はありません。
くろ
しろ
会話で使えるようになるためには、実際に聞いてみることが重要です。自分の言いたいことを実際に単語として言葉にすることで、聞ける単語が増えていくことを実感することができるでしょう。
④スピーキング力が向上する
英語音読の効果の4つ目は、文章理解以外のスピーキングの向上にもなることです。英語音読を通じて英語の語順を理解できるようになると、英語の語順のパターンを理解することができるようになります。英語の語順のパターンを理解できるようになると、スピーキング力の向上を実感できるでしょう。
くろ
しろ
スピーキングが課題という方の多くは、英語の語順に慣れておらず、英語の語順のルールを理解することができないことが原因であることが多いです。一見遠回りのように見えますが、英語音読によるスピーキング力の向上は非常に大きいと言えるでしょう。
⑤英語の発音が向上する
英語音読の効果の5つ目は、文章理解だけでなく音声理解にも効果があります。もちろん、英語の音の連結や消失などのルールを知らなければ意味はありませんが、実際に声に出して発音することで、口や体に英語の語順や音を馴染ませることができます。
くろ
しろ
発音は非常に単調なトレーニングですので、英語音読などのトレーニングと合わせて取り組むことが、継続していくためには非常に重要なポイントであると言えます。
英語音読の効果を得るために必要な3つの要素
上記で見てきた効果を得るためには、次の3要素を満たすことが必要です。それぞれについて見ていきましょう。
①正しいやり方
英語音読の効果を得るためには、正しいやり方で行うことが必要です。筋トレでは正しいフォームでやることが重要ですが、英語音読も同様です。加えて、英会話初心者の方は難しいと感じることも多いと思うため、挫折しないような工夫を凝らすことも重要なポイントになります。
くろ
しろ
英語音読のステップは、前半で同じ英文を繰り返すシャドーイングを行った後、後半で英語の語順を体になじませるために英文の直後に同じ英文を繰り返すシャドーイングを行うことが効果的です。詳細を記載すると長くなるため、下記の記事をご覧ください。

②一定以上の期間・時間
正しいやり方でトレーニングを行うことは重要ですが、それだけでなく一定以上の時間や期間をかけることが重要です。効果が出ないと早々に諦めてしまう英会話初心者の方は多いですが、ある一定以上の時間や期間をかけた後に一気に伸びるフェーズがありますので、そこまでは継続するようにしてください。
くろ
しろ
英語音読で効果が出ると実感するのは、50時間〜100時間程度、期間にすると2ヶ月〜3ヶ月位が目安になります。特に初心者の方は、1ヶ月で諦めないようにしましょう。詳細を記載すると長くなるため、下記の記事をご覧ください。
③適切な教材
英語音読の効果を得るために重要な最後の要素が、適切な教材を使うことです。フェーズやレベルによって適切な教材はそれぞれ異なりますので、万能な教材はありません。人によっては本が好きな人がいれば、アプリが好きな人もいます。それぞれに合った教材を利用するのが重要です。
くろ
しろ
英語音読の教材は世の中に数多くあるため、どれを使えばよいか迷う方も多いと思います。だからこそ、教材にどういった要素が求められるのか、どのくらいの難易度なのかといったことを知っておくと良いでしょう。詳細を記載すると長くなるため、下記の記事をご覧ください。

英語音読は効果がない?批判的な意見と対処法
最後に、英語音読に対する批判的な意見と、それに対する対処法について見ていきたいと思います。
万人向けの勉強法ではない
英語に対する批判的な意見の1つ目は、万人向けの勉強法で無いことが挙げられます。実際、英語音読のトレーニングがつまらないと感じてしまい、挫折してしまう方も多いようです。
くろ
しろ
つまらない感じる人の多くは、音読の回数ややり方に目がいきがちな場合がほとんどです。そのため、仕組みや環境を工夫して、継続しやすい状態でトレーニングを行うことが重要です。詳細については、下記の記事をご覧ください。
投資対効果が悪い
英語音読に対する批判的な意見の2つ目は、投資対効果が悪いということです。そう感じる場合、正しいやり方でない場合が多いのですが、瞬間英作文を行っていれば問題ないという意見もあります。
くろ
しろ
瞬間英作文では、英語の語順のパターンを理解することはできますが、英語の語順のまま理解するという訓練はできません。ここが大きな違いです。一見遠回りのように見えますが、英語の語順のまま理解するというのは、とても重要と言えるでしょう。
英語音読の効果まとめ
以上が英語音読の効果になりますが、いかがでしたでしょうか。英語音読は、正しいやり方で行えば必ず効果が出ますので、継続してもらえればと思います。
次の講座では、英語音読の正しいやり方について見ていきましょう。
